鶴見ウチナー祭を終えてみて、地域イベントの取り組みと課題と現実
鶴見ウチナー祭

10年ひと昔と良く言いますがどうなんですかね?
日々日常の速さが更に増して、
1日、
1週間、
1か月、
1年と
ほんとあっという間。
ぼーっとしていても1年、
本気で何かに取り組んでも同じ1年。

飽きっぽい性格で何かを極めるという事も無い私なのですが、、唯一この鶴見ウチナー祭という行事に1年のうちほとんどの時間を費やす程の人生ルーティーンを見つけ気づけば10年も続けてしまった。

沖縄出身でも鶴見出身でもない私が、横浜鶴見という地域で沖縄出身の県人会の方、舞踊や三線の先生達にご協力頂き行う一大イベントを企ててきました。
ステージを組む人、
ステージで盛り上げる人、
電気工事をする人、
音響をまとめる人、
会場設営を行う人、
公園の芝刈りをする人、
救護を行う人、
ごみを分別回収してくれる人、
それぞれ自分の一番得意な分野で知識や力を出し合って、この日を迎える。

地域が一つになるという意味がやっと分かった気がしました。

仕組みが出来上がるには10年の時間を要しました。
気が遠くなるような失敗の連続でした。

やっと「去年みたいにお願いします」で通じる運営となってきたかな、、
これでやっとスタートラインという認識です。

鶴見ウチナー祭
みんなで沖縄方言ラジオ体操でスタート

イベント運営は、良く華やかなイメージにとらえられ、一見上手く行ってて儲かってる、という風に(特に会場が盛り上がれば盛り上がる程)妬まれることが良くあります。
上手く行ってる(風)な時は人が寄ってきます。
ちょっとでも失敗するとたちまち知らんぷり。

こんな世界です。

鶴見ウチナー祭
沖縄本島北部の学生たちで行われる、現代版組踊「北山の風」

イベントの大小の規模ですごいとかを判断されますが、実際はどんな祭りだって基本は同じ、と思ってます。出店者集めて、ステージ(ヤグラ)を組んで、会場を準備してお客さんを楽しませる。
ひとつひとつ向き合う事柄は同じ。
ただ大きな規模の祭りはその向き合う事柄が増えるだけ。この事柄のひとつひとつを細かくどこまで向き合えるかで、出店者、来場者、出演者の満足度が浮き沈む。華やかに見えるのは当日だけで(当日も楽しんでいる余裕は無いですが、、)本当に細かく地味な作業の繰り返しなのです。
たとえば、テーブルひとつ用意を忘れてしまった、看板ひとつ付け忘れてしまった。
主催側としては何百あるうちのひとつかもしれないが、受ける側としては、たったのひとつの重要な問題。そこの不備が当日に出ないように細かなチェックと打ち合わせを時間かけて行うのです。気が遠くなって頭がパンクして、ちゃぶ台があったらひっくり返したくなるような作業をコツコツやっていくやつが最後は成功する世界です。
なんてところに足を踏み入れてしまったんだ、、(笑)

それでもやっぱりお客さんの楽しんでいる姿をみて、ステージ本番前緊張している出演者をみて、この場を作るやりがいを強く感じるようになり、同時に責任が年々重く感じています。

当日だって楽しむ余裕は無し、、

鶴見ウチナー祭

準備は万端で当日を迎えるのですが、、やはりいろんな問題が目の前に現れ、いつも楽しむ余裕は全くないですね(笑)
なんとか無事に乗り切ってくれ、という想い。

今年で言えば、ほんのひと時、フィナーレステージを終え、お客さんが帰り始めてやっとひと息。宮沢さんと談笑できた時間が唯一のご褒美だった気がします。

宮沢さんとの出会いからご出演まで

鶴見ウチナー祭

宮沢さんとは今年の1月に行われた沖縄の平和シンポジウムで私は出店していて、宮沢さんは登壇ゲストとして参加されていて会場で初めてご挨拶させて頂きました。
鶴見の事、沖縄タウン、南米文化も混じる多文化共生のまちという認識も持っていただいてて鶴見に来てほしいなーというインプレッションがありました。
そこからは宮沢さんの本を読んだり、楽曲を聞いたり、ライブを観に行ったり、夏ごろにご出演の快諾を頂いたのですがそこから当日を迎えるまでに(ご本人との)メールのやりとりは60通以上!当日のステージセットのお話はもちろんですが、ライブの内容や鶴見の熱い想いをあまり暑すぎないように(笑)メール文章にして送ったりしていました。この日を共に迎えられたことに感謝いたします。

鶴見ウチナー祭
急遽宮沢さんとのコラボが決まりご出演頂いた 創作エイサー「天晴あっぱれ」の皆さん

地域のイベントはその地域の方が中心となって動かなければならない

最近、ありがたい事にとっても言われることが、、
『私の地域でもやって欲しい』というお話し。
この内容は私はやんわりお断りしています。
有料音楽フェスなどは別として、祭りはその土地の方が先頭に立って動かないと地域は動かないと思っているからです。

鶴見ウチナー祭
いつもネタを仕込んで来てくれる「沖縄料理ななまかい」の皆さん

『鶴見ウチナー祭』はただの盛り上がっているフェスでは無く、地域の特性が絡まって実現できているイベントと思っています。なので、広い公園があって、キッチンカーが集まって、ステージがあればできるというものではありません。

だけどお断りしているのは所縁のない地域での主催という事であって、もちろんその土地の方が中心となって開催されるイベントに必要とあれば、我々の取り組みや失敗談、上手く行った点などの情報提供は惜しみなく協力しますし、動ける事はいくらでも協力したいと思っています。(来年にひとつ新たなイベントを立ち上げる予定!お楽しみに)

もろもろ取り組み報告

鶴見ウチナー祭では、エリアごとに費用面の課題を明確化し、試行錯誤して収支を改善していってます。このあたりの知識経験は沢山失敗(赤字)してきたので豊富にあります!ぜひお気軽にご相談ください!

鶴見ウチナー祭

・トイレ問題
入船公園は常設トイレの数に限りがありますので仮設トイレを設置しております。設置に100万以上掛かります。その他トイレの清掃管理などにもお金が掛かります。主催者としては大きくのしかかる問題でした。

トイレを有料にするという事に事務局内でも何年もかけて議論しました。チップトイレという任意方式で1年試してみて、様子を見ました。最終的には有料にどうしても納得頂けない方向けに公園の常設トイレは無料でお使い頂けます。という説明の逃げ道をしっかり作って2024年開催より有料トイレの実施に踏み切りました。
結果としては、、大きなクレームは起きませんでした。費用面としてはトイレに掛かる総費用の1/3くらいの費用は賄えるようになりました。(それでもまだ赤字、、)※このあたりの数字もリアルに知りたい方は個別に聞いてください。

鶴見ウチナー祭

・ゴミ問題
ゴミ問題も以前書きましたが、本当に切実な問題です。我々は「滝沢ごみクラブ」さんとコラボさせて頂く事により、意識が変わりました。
ごみを減らす歌を作る人がいたり、
京都からパッカー車で駆けつけてくれる人がいたり、
毎日ゴミ拾いながら出社しているという方がいたり、、
メンバーの方は変わった方が多く(笑)、当時はどうやって費用を減らそう、という考えしかなかったのですがごみクラブの皆さんの意識の高さにとても刺激を受け、行動が変わってきました。
我々の行きついた答えは、分別し、資源に回す。という事でした。
理想はすべての資源を地域の企業と連携しアップサイクルでき、最終目標はすべての容器を再利用できるものにできたらと考えますが、費用の問題などまだまだウチナー祭の取り組みは発展途上で、課題は山積みです。
このあたりは取り組みをされているイベントがほかにもたくさんあると思いますので意見交換させてください!

鶴見ウチナー祭
鶴見ウチナー祭

ボランティアのみなさま、本当にありがとうございました。

鶴見ウチナー祭

ご近所さん、沖縄ファンの方、区内の高校、大学、県人会メンバーなど、鶴見ウチナー祭は毎年少しづつ、協力していただける仲間が増えて来ています。

翌日も出店者や出演者まで沢山ゴミ拾いに来ていただけました(写真に写っていない方すみません!)

「昨日楽しませてもらったから」という理由で翌日のごみ拾いに来ていただいた方もいらっしゃって、、ありがたすぎて、、涙

本当にありがとうございました。

今後の目標は!?

鶴見ウチナー祭
鶴見ウチナー祭執行部のメンバー!初めて集合写真撮りました(笑)
最高ですね♪(photo by福ちゃん ありがとう)

これも良く聞かれる質問ですが、鶴見ウチナー祭は永年続く地域のイベントとして定着していってもらえたらと考えております。
我々ウチナー祭執行部だけのマンパワーだけではなく(おそらく現在は執行部メンバー誰一人抜けたら継続が大変な状況なので)我々世代が引退しても続く、仕組みづくりが目標と思っています。
次世代に受け継ぎ、100年先も続くイベントになっていくのが最終目標ではないでしょうか。
(もちろん我々が元気なうちはバリバリやりますよ!)

今年も山あり谷あり、沢山苦労しましたが、無事に終わって本当に良かった。
同じような悩みを抱えているイベント主催者様!ぜひ情報交換しましょう!お気軽にメールください。

ありがとうございました!

鶴見ウチナー祭

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