
『イッパチの夢を賭ける』―ブラジル移民秘話を読みました。
1908年に沖縄からの移民船「笠戸丸」に乗船し、ブラジルに渡った「イッパチ」こと儀保蒲太(ぎぼかまだ)(1895年~1935年)さんの話しです。
あらすじ
南風原村津嘉山に生まれたイッパチこと儀保蒲太は、日系人で最初の歯科医師になった津嘉山出身の友人、金城山戸(きんじょうやまと)らとともに、1908年、第1回移民として沖縄からブラジル へ移住しました。イッパチというニックネームは、この移民船・笠戸丸の中でつけられたようです。金城山戸とイッパチは幼なじみで、金城山戸は日系人最初の歯科医師へ、イッパチは賭博の道へ入りました。南米一円にまで知れ渡る天才的な賭博師として活躍したイッパチは、稼いだお金を困窮している沖縄県人に分け与えました。また 日系人社会の福祉関係で篤志家としても知られています。そんな激動の時代を駆け抜けた男の話です。
鶴見のルーツにもまつわるブラジルとの繋がり
この本は、著者比嘉憲司さんの息子ちんだみ三線店オーナー比嘉憲龍さんからいただきました。
鶴見には沖縄ルーツのブラジル移民の方がたくさん生活していて普段から良く話す機会が多いですので、歴史含めとても興味を持っていました。
BEGINさんの「バルーン」という曲の歌詞に出てくる「笠戸丸」。歌から聞き覚えがあった。
1908年に初めてブラジルに渡った時の様子が物語調にリアルに描かれていrます。
壮絶な移民のみなさんのお話し
読む前は賭博師の話?くらいの感覚でしたが、ぜんぜん違った、人生そのものを賭けた、移民たちの壮絶な物語でした。
対照的に大きく人生が分かれていく2人を描く。ページをめくるたびに考えさせられる。今みたいに選択肢が溢れていない時代に移民とは挑戦ではなく、ほぼ覚悟だったはずです。
もう沖縄に帰れないかもしれない。。
賭博という生き方も、歯科医師という堅実な道も、どちらが正しいかなんて、人生は簡単に判断できないと思っています。
歯科医師として名実共に評価された「金城山戸」さん
賭博師「イッパチ」さんでしたが、博打で勝ったお金は困窮している沖縄の仲間を助け、決して世間的には評価されなかったが関わる多くの方に慕われていたと。
私も地位や名誉も大事だが、目の前の仲間に評価され、感謝される人間でありたいと思いました。
ただ、「それぞれが必死に生きた」という事実だけが、
静かに、でも強く残る。
移民社会の過酷さの中で、より鮮明に浮かび上がってくる。
リアルで、今の時代を生きる自分たちにも刺さる。
「夢を追う」って、かっこいい言葉の裏側に、どれだけの孤独と不安があるのか。
イッパチ(一度きり)の人生を通して、問いかけてくる一冊でした。
沖縄とブラジルの繋がりのルーツを知るにも最高の一冊です。
2025年8月に真栄平仁こと「ひーぷー」さん率いる劇団O.Z.Eが「イッパチとヤマト」という舞台を行ったというのも聞いて、とても観て見たかった、、と思ってます。
原作の本、興味があったら読んでみてください♪

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